ウブロコピーのビッグバンシリーズは、これまで常に「未来志向」のデザインで知られてきた。しかし、421.NM.1170.RXは少し違う。その名の通り「レトロ」な雰囲気を漂わせる、特別な一本だ。ケース径は45mm。素材はブラックセラミックとチタンのコンビネーション。ベゼルには経年変化を思わせるブラウンのトーンが施され、新品なのに使い込まれた味わいがある。この「意図的に作られたヴィンテージ感」が、他のビッグバンにはない魅力を生んでいる。
文字盤は「アンティーク風」の仕上げ
マットブラックの文字盤には、クリームがかったベージュのインデックスと針。夜光塗料もわざとヴィンテージ調のオレンジ色を帯びており、まるで1960年代のダイバーズウォッチを思わせる。針の形状も、ビッグバン伝統のスケルトンではなく、太いバトン型。これにより、視認性が格段に向上している。3時位置に30分積算計、6時位置に12時間積算計、9時位置にスモールセコンド。4時半に日付窓。クロノグラフの機能そのものは現代的だが、その表現方法はあえてレトロに仕上げられている。
ケースサイドの「古めかしい」彫り

側面から見ると、ケースのラグ部分に手作業風のヘアラインが施され、全体に「手仕事」の温かみを感じさせる。リューズとプッシュボタンも、現代のシャープな形状ではなく、少し丸みを帯びたクラシックなデザイン。防水は100m。日常使いには十分だ。ストラップはブラウンのラバー。表面にキャンバス地のようなテクスチャーがあり、見た目はレトロだが、実用性は現代そのもの。
ムーブメントは現代の実力派
心臓部には自社製自動巻きクロノグラフ、キャリバーHUB4100を搭載。パワーリザーブは約42時間。垂直クラッチではなくカム方式だが、信頼性の高いこのムーブメントは実績十分。シースルーバックからは、ブラック処理されたローターとコート・ド・ジュネーブ装飾を鑑賞できる。古い外見とは裏腹に、中身はしっかり現代の技術で固められている。このギャップが、所有する喜びを高める。
どんな人に刺さるか
「新品のピカピカではなく、使い込んだ風格が好き」という人にぴったり。特に、ヴィンテージ時計の雰囲気を愛しつつ、現代のクロノグラフ機能や防水性も欲しいというわがままなニーズに応える。スーツにはややカジュアルだが、革ジャンやデニム、ミリタリーテイストの装いに抜群に映える。週末のカフェやドライブで、さりげなく「時計に詳しい」ことをアピールできる。
実物を見ればわかる。写真では伝わらない「ヴィンテージ加工」の細かさ。HUBLOTが挑む、新しい「アート・オブ・フュージョン」――それは未来と過去の融合だ。この一本は、その証である。 |