大きな箱を開けると、中から現れたのは漆黒の塊だった。ウブロコピーのビッグバン、424.XCV.1120.RX.STR25。まず目を引くのは、そのケースの「異素材感」だ。ブラックセラミックのマットな質感と、カーボンTPT(薄い炭素繊維を積層した素材)の織り目模様が、ひとつのケースの中で同居している。44mmのケース径は決して小さいとは言えないが、カーボンTPTとセラミックのおかげで、手に取ったときの軽さに驚く。この「見た目の重厚さと、実際の軽さのギャップ」こそが、この時計の最大の特徴だ。
ベゼルはカーボンTPT製。黒い木目模様が浮かび上がり、一つとして同じものがない個性を放つ。そこに配された6本のH型ネジはチタン製。セラミックとカーボン、そしてチタン。この三つの異素材が、視覚的な奥行きを生んでいる。ケースサイドに施されたサテン仕上げとポリッシュのコントラストも、光の反射に複雑な陰影を描く。遠くから見ると「黒い時計」だが、近づくほどにその素材の違いに気づく。所有する人の「こだわり」が、こうしたディテールに現れる。
文字盤はスケルトン加工。自動巻きクロノグラフの歯車や地板が丸見えで、3時位置に30分積算計、6時位置に12時間積算計、9時位置にスモールセコンド。4時半に日付窓。情報は多いが、スケルトンならではの「機械美」が目を引くので、かえって視覚的な雑味を感じさせない。針とインデックスにはホワイトゴールドと夜光塗料が使われ、暗所でも時間は読める。秒針の先端の赤いアクセントが、全体のクールな印象に遊び心を添えている。カーボンTPTの織り目が、スケルトン越しに透けて見えるムーブメントの歯車と重なり、まるで未来都市の設計図を見ているような錯覚に陥る。
心臓部には自社製自動巻きクロノグラフ、キャリバーHUB1280を搭載。約72時間のパワーリザーブ、垂直クラッチとフライバック機能を備え、クロノグラフ作動時の針の跳ねがほとんどない。シースルーバックからは、ブラック処理されたローターとコート・ド・ジュネーブ装飾を鑑賞できる。防水は100m。日常の水濡れには十分対応する。

ラバーストラップはブラック。表面の微細なテクスチャーが滑りを防ぎ、汗や水に強い。ウブロのワンタッチ交換システムで、別のストラップに簡単に替えられる。例えば、オレンジやブルーのラバーに変えれば、ガラッと印象が変わる。一本で、シーンに合わせて表情を変えられる楽しさもある。http://www.ikebukuro777.org/goods/pop_1.html
この時計が最も映えるのは、やっぱり「カジュアル」な装いだろう。スーツにはややスポーティすぎるかもしれないが、革ジャンや黒のTシャツ、デニムと合わせると、その異素材感が際立つ。44mmというサイズも、存在感をしっかり主張しながら、腕の太さを選ばない絶妙なバランス。もしあなたが「黒い時計が好きで、かつ軽さや素材感にもこだわりたい」なら、この一本は強力な選択肢になる。実物を見ればわかる。写真では伝わらない、カーボンTPTの織り目の奥行きと、セラミックの冷たい手触り。そして、44mmのボディが放つ圧倒的な存在感。ウブロのビッグバンが、新しい素材とデザインで切り拓く「未来の時計」。それが、424.XCV.1120.RX.STR25だ。 |