「時計のケースが透明?」――初めてこのレプリカ時計を見たとき、誰もがそう思う。リシャール・ミル RM 75-01。そのケースは、何とサファイアクリスタルで作られている。サファイアはダイヤモンドに次ぐ硬度を持ち、傷つきにくい。しかし、加工は極めて難しく、ケースを削り出すには数百時間もの作業が必要だという。透明なケース越しに、ムーブメントの歯車や地板が文字盤だけでなく側面からも覗く。まるで、時計の心臓部が空気中に浮かんでいるかのよう。
サファイアケースの「透明な重み」
トノー型のケースサイズは約42mm×48mm。手に取ると、その透明感に反してずっしりとした重みがある。しかし、その重みは「高級感」として受け入れられる。ケース全体がサファイアで構成されているため、金属アレルギーの心配もなく、温度変化でひんやりしたり熱くなったりしない。リシャール・ミルならではのハイテク素材と伝統的な機械式ムーブメントの融合が、この一本に凝縮されている。

文字盤はスケルトン加工。 地板とブリッジにはグレード5チタニウムが使われ、軽量かつ剛性が高い。インデックスはホワイトゴールドのバトンタイプ。針も同素材で、夜光塗料が塗布されている。3時位置に日付表示窓。4時位置にはファンクションセレクター(巻き上げ・ニュートラル・時刻合わせを切り替えるプッシュボタン)。このデザインが、サファイアケースの透明感の中で、機械式時計の複雑な機構をより一層際立たせている。防水は30m。この時計で水辺を想定する人は稀だろう。
心臓部は自社製自動巻きキャリバーCRMA7。 パワーリザーブは約50時間。可変慣性モーメントのテンプを採用し、衝撃や振動に強い。シースルーバックもサファイアクリスタルで、裏側からもムーブメントの全貌を鑑賞できる。ラバーストラップはブラック。表面の微細なテクスチャーが滑りを防ぎ、汗や水に強い。
この時計が伝える「透明なラグジュアリー」
金属の塊ではない。ダイヤモンドをちりばめたジュエリーでもない。サファイアという「見えない素材」でケースを作り、その中で機械式時計の鼓動を丸見えにする。このコンセプトは、所有する人の「時計に対する新しい価値観」を問う。スーツにはややカジュアルだが、クリエイティブなシーンやアートの世界で、その異質な輝きが際立つ。もしあなたが「周りと違う一本」を探しているなら、このRM 75-01は強力な選択肢になる。
手に取ったときのサファイアの冷たい感触と、透けて見えるムーブメントの連動。そのすべてが、「時計の未来形」を体感させてくれる。リシャール・ミルが提案する「透明な革命」。それが、RM 75-01だ。 |