池袋のオーデマピゲコピー正規販売店で、この時計と向き合ったとき、まず「黒いな」と思った。でも、その黒は「ただの黒」じゃない。ブラックセラミックのケースに、ブラックセラミックのベゼル。そして、ブラックのメガ・タペストリー文字盤。すべてが黒で統一されたその姿は、まるで「暗闇を切り取った」かのようだ。店員さんが言ってた。「このモデル、ロイヤルオーク・オフショアの中でも特に“戦闘的”な印象を持つ一本なんですよ」。
この時計の何がすごいって、その“質感”だ。
43mmのケースは、セラミック特有の冷たく滑らかな手触り。チタンとセラミックのハイブリッド構造だから、思ったより軽い。でも、軽いだけじゃない。見る角度で、セラミックの艶が変化する。マットな部分と、ほんのり光る部分。そのコントラストが、所有する人の「こだわり」を感じさせる。文字盤のメガ・タペストリー模様も、黒一色だからこそ、光の陰影が際立つ。インデックスはホワイトゴールドのバトンタイプ。針も同素材で、夜光塗料が塗布されている。3時位置に日付表示窓。9時位置にスモールセコンド。6時位置に12時間積算計。12時位置に30分積算計。クロノグラフ機能を詰め込みながら、視認性を損なわないレイアウトは、さすがAPの職人技だ。
「この時計、実は“着け心地”が一番評価されてるんですよ」

店員さんがそう言って、ブレスレットを指さした。ラバーストラップは、汗や水に強く、長時間の装着でもベタつかない。セラミックケースの軽さと相まって、「つけてるのを忘れる」と言うお客様もいるらしい。
心臓部には自社製自動巻きクロノグラフ、キャリバー4404が搭載されている。
約70時間のパワーリザーブ。垂直クラッチとコラムホイールを備え、クロノグラフ作動時の針の跳ねがほとんどない。シースルーバックからは、22Kゴールド製ローターを鑑賞できる。防水は100m。手洗いや突然の雨には全く問題ない。
この時計が似合うのは、「黒が好きで、かつタフな大人」。スーツには合わせにくいけど、週末のカジュアルや夜の街で、その存在感を発揮する。もしあなたが「普通の時計にはもう飽きた」と思っているなら、この一本は強力な選択肢になる。
池袋777を出るとき、私は「黒には黒の美学がある」と心から思った。オーデマ・ピゲが提案する“静かな凶暴性”。 |