「ゼニスと言えば、まずエル・プリメロ」――池袋のレプリカ時計販売店で、店員はそう言ってケースを開けた。現れたのはZENITH パイロット クロノグラフ 49.4001.3652/63.I001。45mmのステンレススチールケースは、パイロットウォッチらしい堂々たる存在感。ブラックセラミックのベゼルが、その無骨さを引き締める。しかし、この時計の真価は「見た目」だけではない。
この時計の心臓部は、自社製キャリバーEl Primero 3652だ。
1/10秒単位の計測が可能なクロノグラフを搭載。秒針が1周するたびに、10分の1秒を表示するサブダイヤルが動く。その「カチカチ」という音は、まるで飛行機のエンジンのような規則正しい鼓動だ。パワーリザーブは約60時間。金曜の夜に外しても月曜朝まで正確に動く。シースルーバックからは、コート・ド・ジュネーブ装飾と、星型のローターを鑑賞できる。池袋の店員が「このムーブメント、ゼニスの技術力の結晶ですよ」と教えてくれた。

文字盤はブラックのサンレイ仕上げ。
大きなアラビア数字と、夜光塗料がたっぷり塗布された針。12時位置に30分積算計、6時位置に60秒積算計、9時位置にスモールセコンド。4時半に日付窓。このレイアウトは、一瞥で時間を読み取れるプロフェッショナルツールの設計だ。秒針の先端のオレンジ色のアクセントが、全体の印象を引き締める。池袋の店員が「このオレンジ、パイロットウォッチの伝統的なカラーなんですよ」と言っていた。確かに、その言葉に偽りはない。
この時計を「買う」べきか。
池袋の店を出るとき、私はその答えを出していた。価格は決して安くない。しかし、エル・プリメロの歴史と1/10秒計測の実用性を考えれば、納得の価格帯だ。スーツにはややカジュアルだが、革ジャンやフライトジャケットに抜群に映える。もしあなたが「機械式クロノグラフの最高峰」を探しているなら、このパイロットは強力な選択肢になる。
手に取ったときのずっしりとした重みと、エル・プリメロの鼓動。そのすべてが、「これで正解だった」と思わせてくれる。ZENITHが提案する“空の鼓動”。それが、49.4001.3652/63.I001だ。 |